2016年11月13日 14時24分
今年最大のヒットであるアニメ映画「君の名は。」で主人公の女子高校生の声を担当して話題の俳優、上白石萌音さん。これまでも、映画「舞妓はレディ」(2014年)の主演、ミュージカル「赤毛のアン」(15年)の主演など着々とキャリアを積み重ねてきていましたが、ついに名作映画の主題歌・挿入歌をカバーしたCDミニアルバム「chouchou(シュシュ)」で歌手デビューを果たしました。ただ今18歳。若々しく、透明感あふれる歌声で魅了する“薩摩おごじょ”の新進女優をGET!
-1曲目は「366日」(映画「赤い糸」主題歌)。続く2曲目が「Woman“Wの悲劇”より」(映画「Wの悲劇」主題歌)。この歌は薬師丸ひろ子さんのイメージが強いんですが、上白石さんの歌声は負けず劣らず透き通っていて、高音域に素晴らしい伸びがある。全部で6曲の収録曲はどのように選んだんですか。
★上白石 ディレクターやスタッフと話し合いながら決めたんですが、4曲目の「On My Own」は私の希望で入れてもらいました。
-映画にもなったミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌ですが、無伴奏で歌ってますね。リズムが取りづらいし、しかも英語の歌詞で、相当難しかったのではないですか。
★上白石 実は、この歌は映画「舞妓はレディ」の最終オーディションで歌ったんです。伴奏が印象的な曲で、それを無伴奏で歌うのは最初は怖いとも思ったんですけど、リズムはあまり考えずに感情を大切に歌いました。ささやくように、ためるように歌うところもあれば、感情があふれ出して駆けだしそうなところもあって、気持ちよかったですし、出来上がって聴いた時に私の声しかしないというのも不思議な感覚でした。
-収録期間は?
★上白石 昨年12月から約8カ月。ずっと続けてではありませんが、8月に「SMILE(スマイル)」を最後に収録しました。
-チャプリンの映画「モダン・タイムス」で有名な曲ですね。
★上白石 アルバムの最後で、聴いている人が温かい布団にくるまれているような気持ちになればということで、この歌に決まりました。
-3曲目の「変わらないもの」(劇場版アニメ「時をかける少女」挿入歌)は自らピアノ伴奏もしていますね。
★上白石 母が中学校の元音楽教師で、3歳の時からピアノを習ってました。でも、あんまり厳しくって、途中でやめちゃったんです。
-でも音楽は好きだったんですね。
★上白石 ええ。歌ったり、踊ったりするのが好きで、鹿児島市内の小学校1年生の頃からミュージカルスクールに通っていました。
-ミュージカルに映画、アニメ映画の声優、そして歌手デビュー。これから何を中心に、どういう方向を目指すのでしょう。
★上白石 私自身もどうなるのか分からなくて、でも、だからワクワクして楽しいんです。次にチャレンジするものに何も考えずに突進していけるように、技術を身に付け、精神面の準備をしたい。目標としては、演じるように歌って、歌うように演じたい。言葉に含まれている意味だとか、深いところにある感情をそっと届けられるようになればいいなと。歌とお芝居、二つの道のどちらにも寄り道ができるようにしたいと思っています。
-憧れの存在や、目標としている人はいますか。
★上白石 NHKの朝ドラの「おひさま」の頃から井上真央さんが憧れの存在でした。今、こういう人になりたいというのは、松たか子さん、高畑充希さん。ミュージカルでも映画でも幅広く活躍し、すてきな方たちです。
-収録曲のうち2曲は英語の歌詞です。英語の勉強に力を入れているそうですね。国際的な舞台で活躍したいという夢は?
★上白石 チャンスがあればとは思いますけど、日本人顔だと言われるので(笑)。でも、いつか海外に勉強しに行きたいとは思っています。私、言葉が好きなんです。言葉を美しく話せる人になりたいし、芝居でも、歌でも、言葉をきちんと伝えられるようになりたい。
▼かみしらいし・もね 1998年1月27日生まれ。鹿児島市出身。2011年、東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を受賞しデビュー。12年、ミュージカル「王様と私」で初舞台。15年、映画「舞妓はレディ」の演技で日本アカデミー賞・新人俳優賞。今夏はアニメ映画「君の名は。」で、主人公の宮永三葉の声を担当した。
=2016/11/13付 西日本新聞朝刊=
not mine.credit and source: NISHINIPPON
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